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そこでは、あらゆる事が可能である。人は一瞬にして氷雲の上に飛躍し大循環の風を従へて北に旅する事もあれば、赤い花杯の下を行く蟻と語ることもできる。 罪や、かなしみでさへそこでは聖くきれいにかゞやいてゐる。 ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『注文の多い料理店・自筆広告文』P.603」 あのイーハトーヴォのすきとほった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモーリオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波 ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『ポラーノの広場』P.155」 ぜんたい十二月の二十六日はイーハトーヴはひどい吹雪でした。町の空や通りはまるつきり白だか水色だか変にばさばさした雪の粉でいつぱい、風はひつきりなしに電線や枯れたポプラを鳴らし、烏なども半分凍ったやうになつてふらふらと空を流されて行きました。 ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『氷河鼠の毛皮』P.147」